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May 22, 2011

柏・我孫子・中央線のバックグラウンド放射線

[注: この記事に出てくる放射線量はすべて1992年当時のものです。]

ホットスポット説の中心地としていま注目をあびる優れた千葉県柏市であるが、柏の放射線量は果たして本来(福島第一の事故前)どのくらいだったのか?

それに関しておもしろいものを発見。1992年8月に、小学校の夏休みの自由研究で、柏にあった自宅(柏市旭町)・市立旭小学校の周辺、および中央線車内での放射線量測定をしていた記録が出てきたのである。科学技術館が子供向けにサーベイメータ「はかるくん」の貸し出しをしており、運よく夏休み中に借りられることになったのでこの自由研究を行った、という身もふたもない内容がレポートのイントロに記されている。

計測環境

  • 機器: はかるくん DX-200
  • 測定方法: 記されていないが、おそらく小学4年生の胸の高さ付近での測定であろう。どのくらいの時間測った、等は不明。

柏・我孫子の空間線量率

自由研究レポートにはひたすら測定値が書き込んであるのでざっくりまとめると以下のとおりである。

  • 旭小学校校庭のグラウンド: 0.02~0.03uSv/h程度
  • 校舎(鉄筋コンクリート)の周囲: 0.02~0.06uSv/h程度
  • アパート(鉄筋コンクリート5階建て)の内部の階段 0.05~0.08uSv/h

他にも我孫子の手賀沼親水公園での測定もあり、0.02~0.05uSv/h程度であった。

中央線車内での空間線量率

また、中央線に乗って車内での線量を測定した記録もあった。

駅名 線量(uSv/h)
東京 0.009
四谷 0.033
新宿 0.012
中野 0.015
荻窪 0.024
立川 0.039
福生 0.015
青梅 0.018
御嶽 0.021
トンネル 0.024
御茶ノ水 0.012

考察

この測定では、土・水の上は低く(0.02~0.03uSv/h程度)、コンクリートの付近は高く(0.03~0.08uSv/h程度)なる傾向がわかった。話題の柏の葉近辺でのデータは残念ながらないが、少なくとも「柏は自然放射線量が高い」ということはなかろうと思う(測定点付近に存在する石・コンクリート等の物質に影響される可能性はもちろんある)。この結果はだいたい地質学会のデータとconsistentと言える。

アパートは当時住んでいた古い公務員官舎であるが、(当時としては)相当高い0.08uSv/hが観測されている。官舎のうち初期に建設された棟ほど線量が高くなる傾向があった。

どうでもいいこと

  • 「マイクロシーベルト毎時」と「マイクロシーベルト」の違いについてきちんと理解され、説明されている。偉いぞ小学生時代の俺。単にはかるくんのマニュアルに書いてあることを書いただけかもしれないが。
  • 自由研究レポートの考察に「(コンクリートの校舎内は線量が高めなので)なるべく放射線をあびたくなければ、校庭で遊んでいた方がいい」と書かれている。ALARAの原則ってやつですね。今となってこの文を読み返すと大変寂しい感情を抱かざるを得ない。
  • さすがに小学生のレポートであるので、放射線の源やその種類(α、β、γ)といった話は書いてない。

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